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正規社員だけど非正規社員、非正規社員だけど正規社員

IT業界においては私は「正規社員だけど非正規社員」という状態を経験しました。

こうも言えます。「正規社員だけど派遣社員、派遣社員だけど正規社員

こうも言えます。「正規雇用扱いだけど非正規雇用扱い、非正規雇用扱いだけど正規雇用扱い

どういう状態??

これがどういう状態かというとIT関連の企業に正社員として所属している状態で、クライアント先企業に派遣社員で常駐するケースです。私はこの状態で2006年から2018年まで働きました。

IT企業には正規社員として雇用されているので一応正規社員という扱いです。

ただ、常駐先の企業からすると派遣社員なので非正規社員のような位置づけになります。

実際にはIT企業に正規社員として雇用されているので非正規社員ではないのですが、実質は派遣先の企業でずっと業務をするわけなので仕事をする上では派遣社員という位置づけでずっと業務をしていました。

私の経験としてこの状態にはいいところもあれば悪いところもあります。

良いところ

こういうケースで派遣される企業は大企業が多いと思います。

私の場合も結構な大企業に派遣されました。

大企業の正規社員の方は優秀な方が多いのですが、かなりの量の案件を並行してマネジメントしているので基本的に人手は足りていません。

足りていないから派遣社員もしくは業務を委託して補填するのですが、補填された派遣社員としてこのポジションで業務することは私にとってはとてもいいところがありました。

  1. 大企業がクライアントからプライム案件として請け負っているプロジェクトにメンバーとして参加することができるので、自分の会社では経験できないようなプロジェクトの経験を積むことができる。
  2. 経験を積んだうえで、プロジェクトリーダー系の業務を実施できる。大企業のプロジェクトリーダーとなると取り扱う案件の規模は相当なものになり、業界で生きていくうえで相当有利になる経験を積むことができる。
  3. 派遣社員なので、その企業特有の面倒な事務処理をしなくていいので、プロジェクトに集中できる。結果的にスキル習得に業務のすべての時間を割くことができる。
    逆に正規社員の方はプロジェクトを並行して抱えることによる、社内の事務処理に追われてほぼ実業務をできない状態になっていました。
  4. 残業の抑制が正規社員の方に比べて相当緩いので、やりたければ残業し放題。
    これは人によりますが、私の場合は結果的に残業代をもらいながらスキル習得できたので一石二鳥でした。
  5. 正規社員の方は異動があるが、派遣社員の異動はほぼない。結果的に長くいると正規社員の方よりも突出した業務経験を保有することができるのでより上流の仕事を実任せてもらえるようにもなる。

私は上記の利点を活かしてただひたすらにプレーヤーとしての経験を積みました。

悪いところ

上記にいいところを書きましたが、やはり派遣社員として常駐している限り、悪いところもあります。

私の経験として

  1. 同じ業務もしくはそれ以上の業務を実施しても給料は正規社員の方と比べて半分以下
  2. 私の場合ですが、自分の所属している会社での昇給はほぼないに等しい状況でした。
    頑張ってスキル習得してもそれを評価するような制度がありませんでした。
  3. 派遣先の会社の方針に大きく左右されるので、例えば派遣社員に属人化しすぎているような状況が見受けられた場合、意図的に新規案件にはアサインしないようなことも発生する
  4. 指揮命令者が派遣先企業の人事異動でしばしば変更になるので、その度に人間関係を作り直さなければいけない
  5. やはり派遣社員ということで正規社員の方とは色々な面で違うので肩身の狭い思いや、疎外感を感じることがありました。

私の場合

幸いにも、派遣社員にも色々なチャンスを与えてくれる企業でした。

私の場合は、自分の所属していた会社の評価制度や待遇面にはかなりの不満を抱えながらも、IT未経験の自分を雇ってくれたこと、また、大きな企業に派遣してくれたことについて感謝するところもありました。

派遣先の企業では大きなプロジェクトのプロジェクトリーダを任せてもらえるようになり、プロジェクトの進め方、マネジメントのやり方等々を様々な人とかかわる中で体系的なノウハウとして身につけることができました。

技術面でも流行りだした頃にAWSのプロジェクトにアサインされたことにより、クラウドのインフラ構築及びアプリ開発にも携わることができました。

その後

感謝の念を抱きつつも、待遇面の悪さは家庭を持った私にとっては大きな問題でした。

いくら頑張っても自分の所属している会社での昇給は望めないので転職することを決意します。

転職

所属していた会社は正規雇用とはいえ、自社のオフィスで業務をしている人はスタッフ部門の人が大半だったので言ってみれば、人材派遣会社のようなものでしたが、経験値としては、大手企業のプロジェクトを最前線でプレーヤーとして実施していたので、転職市場においてこの経験は大変有利に働きました。

また、転職する前にTOEICも細々と勉強して、転職に一番おいしいといわれる800点を取得していました。

この時の私の職務経歴としては

  1. TOEIC800点
  2. 応用情報処理試験、JSTQB等の資格試験合格(これはまぁたいした資格ではありせんが。)
  3. 大企業案件のプロジェクトのリーダー(プライム案件なのでプロジェクトのトップ層)

最初はソフトウェアハウスのようなところに転職しようとしていたのですが、実際にはソフトウェアの構築経験はそれほどありませんでした。(開発はほぼオフショアだったので。。)

そういうバックグラウンドを考慮して、結果的にITのコンサル会社に転職することになりました。

コンサル業界は完全成果主義なところがあるので、やったことは直接評価に反映されますので結果的に私にはあっていました。

私の経験から、自分にあった会社の社員として働かない限りはどれだけ頑張っても、どれだけ成果を上げてもそれは評価にはつながらないのです。
会社組織というのはある程度同じようなレベルの社員から成り立っているのだと思います。
それは例えば学歴だったり、人間性であったり、

色々ですが、他の社員と全く違うベクトルの社員であった場合は、基準がちがうので評価することはできないのだと思います。

まとめ

IT業界の場合は、派遣社員で働くということも長い目で見たときにはそれほど悪くないのではというのが私の経験を通じての印象です。

そもそも大企業に就職すればいいではないかというのはごもっともですが、大企業に就職するのはそれなり学歴等々、色々なものを兼ね備えていないと入れないのでハードルが高いです。

一方、派遣社員の場合は、その就職活動を勝ち抜かなくても同等の職に割と簡単につくことができるのです。

大企業の案件を実施するということは、プロジェクトの規模が違うのでプロジェクト全体を俯瞰してみることのできる広い視野を形成します。

また、上述した通り、面倒な事務作業を実施する必要もないので自分のスキルを伸ばすことに集中すれば、これほどいい経験を積めるところは存在しません。

事実として、プレーヤーとして培った私の経験は揺らぎのないものでした。

待遇面においては割り切って残業すれば何とか食べていけるくらいの給料をもらうことは可能です。